銭湯は、「せたがやしぐさ」の宝庫?
僕の家のまわりにも、半径1キロ以内に3軒ありました。でも今では、保育園時代の友人の家が経営する1軒のみとなってしまいました。世田谷に引っ越してくる前の数年間は、新宿・下落合に住んでいました。父と母と僕の3人で四畳半一間のアパートに住んでいたそうです。その時はもちろん、トイレは共用、風呂は毎日銭湯でした。
銭湯も人が集まるところ、いろいろなしぐさ(広義の意味でのしぐさ)が発達してきたわけです。
まず、暖簾をくぐって、番台のおばちゃんに“挨拶”、そして顔見知りに”会釈“。そして、脱衣所にたどり着くまでに、“手刀”(7月23日の記事参照)。脱衣所で人が服を脱いでいるところが目に入れば、ちょっと目をそらしての”視線外し“の思いやり、脱衣後は、ちょいとタオルを前にかけての”前かくし“。風呂場や浴槽が混雑していれば、”風呂手刀“。せっけんやシャンプー(いまでは常備されているところがほとんどでしょうが)を忘れたひとに貸してあげる”せっけん貸し“。湯上りに自分のぬれた体で脱衣所が水浸しにならないように、風呂場で体をざっと拭いてからあがる”ざっとひと拭き“・・・などなど自分で勝手に命名したものもありますが、枚挙に暇がありません。
近年はスーパー銭湯というらしいのですが、比較的大規模な大衆浴場が我が家の近くにも2か所出来ました。銭湯というよりも娯楽・飲食・リラクゼーション施設ですね。
銭湯が地域コミュニティーの交流の場だったことは言わずもがなでありますが、時代の流れにそって、銭湯の役割も変化してきました。銭湯の変化も、都市の文化や生活習慣の変遷をはかるひとつの指標であるわけです。
せたがやしぐさ 事務局 櫻井重之
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