
のばし箒(ほうき)
毎朝7時10分過ぎに娘を最寄りの駅まで送って行くのが平日の仕事前の日課となっている。それも、はや2年半となるが、その同じ時間帯に、いつも同じ場所で、同じシチュエーションでお会いする方々がいる。そのなかに、特に僕が勝手に名前をつけているひとがいる。それは、「掃除おやじ」である。“レレレのおじさん”よろしく、彼はほぼ毎日朝の掃除を続けているのである。こちらは車を運転しているので、「お出かけですかぁ?レレレのレー」などと頭をかきながら彼からことばをかけてくることはない。会話を交わすことはないが、毎回彼の掃除している横スレスレを、ゆっくり車ですれ違っているとなんだか知り合いのような気がしてきて不思議だ。
彼の掃除領域は広い!自分の家の領域(何故彼の家を知っているかというと彼の家の前は僕がいつも通る道路だから。)をはるかに超えて、前後左右約50メートルは“越境”している。これぞまさに、せたがやしぐさ五箇条のひとつ、「のばし箒」をすでに実践・励行しているひとではないか!!
のばし箒の意味するところは、「自分の家の前だけでなく、お隣やお向かいの所までお掃除の範囲を広げる様心掛ける。」である。彼は、向こう三軒両隣どころが、10軒先くらいまで、掃き掃除をしているのである。しかも勝手に掃除おやじなどと命名されて・・・。
おそらく彼は、几帳面なひとだと思う。手を抜くことができないので、ここまでと決めて、その範囲を終了し、ふとその数十センチ先に落葉を見つけると、彼は進んでその落葉を広い、またここまでと決めて掃くのをやめようとふと顔をあげたら、またまたそのちょっと先に落ちている空き缶に気づいてしまい、そこまで掃除をする。そのようにして彼は版図を広げていった(自然と広げてしまった)に違いない!
先日、休みの日に、ある60過ぎらしいおじさんが、小さな男の子の手を引いて、にこにこしながら小道を歩いていた。このとき僕は自転車だったので二人と移動速度が違うので、あっという間に、この二人を通り過ぎてしまった。通り過ぎた瞬間、あれどっかで見たことある顔だなぁ~としばし思案・・・。数秒後、そうだ!掃除おやじだぁ。おもわず声を出してしまうほどであった。
子供はおそらく彼のお孫さんであろう。その孫に「君のおじいちゃんは、毎朝欠かさず近所をお掃除してくれているんだよ。お爺ちゃんにありがとね。」とそっと耳打ちしたくなるほどの微笑ましい光景であった。(写真はインタネットから。)
今日もお付き合いいただき感謝!
【せたがやしぐさ】事務局 櫻井重之
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